不如帰

青空文庫に不如帰をアップロードしました。

新聞に連載時は「ほととぎす」と読みが示してあったけど、巻頭の「第百版不如帰の巻首に」では「ふじょき」となってる。千々岩も本文は「千々岩」なのに巻頭では「千々石」だし、姥の幾も漢字表記の「幾」と平仮名表記の「いく」が混在している。徳富蘆花という人はあまり細かいことには拘らない人だったようだ。

哀しい物語ではあるんだけど、文章にはユーモアがあって可笑しい。片岡中将の様子を大山巌々なんて評してモデルの名前を出してしまってたりする。ちなみにモデルとなった人物は以下の通り。

登場人物モデル演者ドラマ
片岡浪子大山信子
片岡中将大山巌反町隆史八重の桜
片岡繁子大山捨松水原希子八重の桜
川島武男三島彌太郎小澤征悦いだてん~東京オリムピック噺
川島慶三島和歌子白石加代子いだてん~東京オリムピック噺

楠正行や高師直の名前が出てくるあたりに明治時代の太平記の人気の高さをうかがわせる。いまは大河ドラマでも戦国、幕末、ときどき源平で太平記の時代はそれほど人気ないのに。

コメント