◇。◇。◇。◇。◇。 【レ・ミゼラブル】 【序】 【ビクトル・ユーゴー】 【豊島与志雄訳】 ◇。◇。◇。◇。◇。  法律と風習とによって、ある永劫の社会的処罰が存在し、かくして人為的に地獄を文明のさなかにこしらえ、聖なる運命を世間的因果によって紛糾せしむる間《=あいだ》は、《:、》すなわち、下層階級による男の失墜、飢餓による女の堕落、暗黒による子供の萎縮、それら時代の三つの問題が解決せられない間は、《:、》すなわち、ある方面において、社会的窒息が可能である間《=あいだ》は、《:、》すなわち、言葉を換えて言えば、そしてなおいっそう広い見地よりすれば、地上に無知と悲惨とがある間《=あいだ》は、本書のごとき性質の書物も、おそらく無益ではないであろう。 【  1862年一月一日オ《/オ》ートヴィル・ハウスにおいて】 【ヴィクトル・ユーゴー】 ◇。◇。◇。◇。◇。 【底本:「レ・ミゼラブル(一)《):》」岩波文庫、岩波書店】 【   1987(昭和62)年4月16日改版第|1刷《イッサツ》発行】 【入力:tatsuki】 【校正:小酒井博士】 【2007年1月15日作成】 【2013年4月21日修正】 【青空文庫作成ファイル:】  このファイルは、インターネットの図書館、青空文庫(http:《コロン》//《-/》www.aozora.gr.jp/)で作られました。入力、校正、制作にあたったのは、ボランティアの皆さんです。